消費税>>納税義務者

納税義務免除(新設法人の具体例)

 新設法人は、設立1期目及び2期目は原則として消費税の免税事業者となります。
 

新設(基準期間がない)法人の納税義務の免除の特例

 消費税においては、中小事業者の申告・納付に係る事務負担などに配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1千万円以下の事業者については、納税義務が免除されます(消法9)。したがって、新たに設立された法人については基準期間が存在しないため、設立1期目及び2期目は原則として免税事業者となります。
 しかし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1千万円以上である法人については、納税義務を免除しないこととなっています(消法12の2)。ようするに、消費税の申告・納付に係る事務負担にも十分対応できると考えられるからです。この場合、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書(設立年月日、事業年度の開始の日及び終了の日、この特例の適用を受けることとなる事業年度の開始の日及びその資本金の額又は出資の金額などを記載した届出書)」を、速やかにその納税地を所轄する税務署長に提出する(消法57消規26)こととされていますが、「法人設立届出書(法人税)」の提出で済ませることが認められています(消基通1-5-20)。
 なお、この設立1期目及び2期目が免税事業者とならない法人であっても、設立3期目以後の課税期間における納税義務の有無の判定については、原則どおり、基準期間における課税売上高で行うこととなります(消基通1-5-18)。
 

法人成りした場合の納税義務

 納税義務の有無の判定は、事業者単位で行うこととなるので、法人成りする前の個人事業者と、法人成り後の法人とは別々に判断することとなります(消基通1-4-6)。したがって、個人事業者の基準期間における課税売上高は、法人の基準期間における課税売上高とはなりません。よって、その事業年度開始の日における資本又は出資の金額が1千万円以上であるかどうかで判定します。
 例えば、個人事業者の時に、売上げが少なく、消費税の納税義務が免除されていても、資本金の額又は出資の金額が1千万円以上であれば、法人では納税義務者となります。
 逆に、法人成りする前の個人事業者の前々年の課税売上高が1千万円を超える場合であっても、その新設法人の資本金の額又は出資の金額が1千万円未満であれば、その新設法人については前々事業年度の課税売上高はないので納税義務は生じないこととなります。ただし、その法人成りをした年の個人事業者であった期間については納税義務は免除されません。
 

 

 

平成22年4月1日以後

 平成22年4月1日以後に設立した「新設法人」が、基準期間がない各課税期間中に調整対象固定資産の課税仕入れを行い、かつ、その仕入れた日の属する課税期間の消費税の確定申告を一般課税で行う場合には、調整対象固定資産の課税仕入れを行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間は、納税義務が免除されません。また、簡易課税制度を適用して申告することもできません。
 

合併法人

 合併によって新たに設立された法人(合併法人)のその合併があった日の事業年度で、その基準期間に対応する期間における各被合併法人の課税売上高として計算した金額のいずれかが1千万円を超えている場合には、消費税の納税義務が免除されません(消法11)。
 

新設分割子法人

 分割等によって新たに設立した法人(新設分割子法人)のその分割があった日の事業年度で、その基準期間に対応する期間における各新設分割親法人の課税売上高として計算した金額のいずれかが1千万円を超える場合には、消費税の納税義務が免除されません(消法12)。
 

まとめ

 
資本金 1・2期目 3期目
1千万円以上 納税義務あり 1期目の課税売上高で判定
1千万円未満 納税義務免除 1期目の課税売上高で判定